人魚姫と姫

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「……へ?あの」 「し、失礼しました。おにぎりの具まで答える方が珍しくてつい……」 「そんなに珍しいですか?」 「ふふっ、ええ。良く知らない人におにぎりですか?なんて聞かれたら普通"はい"しか答えないじゃないですか」 そう言って彼女は俺と同様に持っているビニール袋の中から何かを取り出す。 「これ、良ければ。隣に座らせて下さったお礼です」 そう言って肉まんを手渡してきた。 ついさっき買ったのだろうか。渡された肉まんから湯気が立っていた。 「え、良いんですか?」 「はい、お礼です」 俺は有難くそれを受け取り半分に割る。 口に入れると肉汁がジュワリと広がり、とても美味しかった。
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