9人が本棚に入れています
本棚に追加
俺はその後も彼女とあの場所で頻繁に会っていた。
昼食をいつもあの場所で、あのベンチで彼女と食べることが今では俺にとって"あたりまえ"となっていた。
しかしこのままではいけないと俺は思う。
物語の王子ならばプレゼントと共に愛の言葉を紡ぐが俺には出来ない。
どうすればいいか。
俺は必死に考えに考えある答えに辿り着いた。
「……素直に告白しよう」
物語王子としてで無く、ただ一人の男として俺はまた彼女を好きになった。
だから王子のように振る舞うのではなく、素直に気持ちを伝えたい。
振られてもいい、嫌われても、見下されても、笑われても。
それでも俺は彼女がいい、彼女しか居ないと言い続ける。
俺は拳を握り、これから会う相手に思いを馳せていた。
最初のコメントを投稿しよう!