ヱ○リスタにいたずらしたらとんでもない仕返しがあったのでみんなマジで気をつけろあそこはヤバい

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 俺は入学早々隣の席の女子Kに一目惚れし、話を盗み聞きして同じ部活に所属した。そこまではいいもののその部活はガチのテニス部で、運動不要な体の俺にはがまったく合わず、Kや女子どころか男子でさえろくに交遊することなく俺は幽霊へと昇格した。  一方俺は危惧していることもあった。彼女にまとわりつく害虫の如き男Yを殺虫処分するか否かであった。Yはテニスド下手にもかかわらずKの前で空振りスイングを幾度となく見せつけるこれ以上ないマゾヒズム全開男であった。が、まあ放置しといてもどうせKがさっさと天誅を下すことだろう。そう考えYは無視した。  結局1学期前半に私が全力を注いだのはKへのお近づき計画のシュミレーションだけであり、そればかり考える俺に当然勉学の時間はない。  それはテストの点数に如実に反映され、入学当初は9割だった小テストの成績もジェットコースターの如くみるみる低迷し、最近ではクラス、いや学年対抗最下位争い大会の出場資格を無条件に得られるまでに退化し、しまいには0のとなりに「どうしたの?」と書かれ心配される始末である。  そうこうする間に席替え前日になったので最後のチャンスと思い「消しゴム落下作戦」を決行した。Kとの間に消しゴムを落とし、拾ってもらう際に指先が当たりお互いに意識し合えば成功である。1限、2限、3限、4限、5限、6限と、全てにおいて消しゴムを落とした。うち3限は体育だったことを忘れていたが代わりにバスケのゴールに向かって投げておいた。  さて結果から言おう。成功だ。なぜなら消しゴムを落とした時にKは反応したからだ。視線だけ。それだけで及第点である。そう、これで及第点だ。文句があるなら出てきやがれ。  こうして作戦は無事成功に終わり、席替えを果たした。そう、これで良かったのである。そう思っていた。  全てはあの男が悪い。YはあろうことかKに告白し、Kはそれを受諾したというのだ。Kは害虫がお好みであった。蓼食う虫も好き好きとはよく言ったものだ。  その話はたちまちクラス中に広まり、KYカップルの祝福ムードに包まれた。あまりの祝福の空気圧に耐えられず俺の脳はスムージーと化した。消しゴム落下作戦より害虫駆除をすべきだった。  だが、後悔しても遅い。俺は敗者だ。勉学を放置し、行きたくもない部活に参加し、愚かな行為を繰り返して花のスクールライフを存分に腐らせた俺にはもう生きる場所は自室だけである。  こうして俺は今パソコンに向かい、麻雀で負け、恋愛ゲームでdead endを迎え、画面が消えれば写る顔に中指を立てては大豆を投げ、再び来る日も来る日も時間をドブに捨て続けているわけである。  しかし、なぜ俺がこうなるのだ。理不尽だ。理不尽すぎる。  そこで俺は考えた。ほかに理不尽な奴らを生めば良い。そうすれば俺の苛立ちも少しはましになる。
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