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「お父さん、お兄ちゃん。」
キャッチボールをする二人に声をかけたのは明里だ。彼女は小学1年生だ。
「おう、明里。どうした?」
「敦子おばさんが、草取りするから、手伝ってほしいて。」
敦子は好奇の姉だが、彼女も結婚し、子供もいるが、同じ町内に住んでいるのだ。最近はガーデニングに凝っているのだ。好奇曰く彼女は元気すぎて、ハチャメチャなところがあり、驚かされる存在だ。ある意味楽しいともいえるが、元気すぎるあまり恐ろしいともいえる。好奇のアイディアの原点とも言える。
「あ、またか。」
「何か。面白いことするから、来てって。」
「面白いこと?」
また、訳の分からないことを考えてそうで恐ろしいと思った。姪を使い走りにするなとは思った。明里は純粋なのだからだ。
「まあ、とにかく、行くか。後がうるさいからな。二人とも今、言ったことはおばさんには内緒だぞ。」
「うん。分かってる。」
「何で?」
一方は理解して、一方は迷走しているので、一旦は説明をして、姉の家に向かうことにした。ここでも息子は嫌な顔をするどころか、フォローをしてくれたので、ありがたいとつくづく思った好奇だった。まさか、これが阪下の話に繋がるとは夢にも思わないだろう。
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