大物発掘俳優(第2章 遊んでから考えよう)

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でも、好奇は阪下は運動神経が悪い芸能人の分野には含まれないような気もするが、正直言えない気がしていたのだ。だって、驚かされたくないからと必死になって二階まで一気に走れるのは体力がある。第一猫と散歩をさせているからだ。まあ、だからと言って運動神経がいいとは普通は言えないが、考えれば、俊敏さはあるので、そこまで悪いとは言えない。茂みから驚かされそうになった時も腰からきちんと踊るように避けたのだからだ。しかも顔も無表情のまま”はい”と返事をしたからだ。避け方は若干オネエぽかったが、それを言うと怒られそうだ。運動神経を調べるのは案外、楽ではないことがあるものだと好奇は痛感した。まあ、でも、体力面で実年齢よりも若いというのはある意味最高と言える。好奇自身も笑ってパワーが落ちていかんと言えるようなじじいになりたいなと一瞬思った。そのためにも息子に容易く負けるような年の取り方をしてはいけないと思った。小学生と張り合うのもどうかと思うが、その方が逆に元気になるとも言えよう。体を動かさないことがむしろ恐ろしいことなのだからだ。
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