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 この間のにっき、たくさんの方が読んでくださりありがとうございます。  皆様からいただいたコメントも心温まるものが多く、大切に読ませていただきました。  こう言った声が大きくなれば今後日本の動物愛護はきっと正しい方向へ進んでいくことだろうと思いました。  ただ、私が日本ではこの問題が解決されるのはまだまだ先の話だろうと思っていることがあります。  まずペット業界に携わる人は動物取扱業という資格を取得する必要があります。  これは販売だけでなく、ペットホテルなどを運営する施設でも必要な資格です。  多少の条件はあるのですが、特に試験があるわけではなく誰だって取ろうと思えば取れる資格になります。  まずこの資格取得の条件を厳しくしてほしい。  それで資格の更新には研修(という名の講演会)があって、それを受けなければならないのですが、そこであるとき殺処分についての講演会がありました。  その講演会では、殺処分が行われる現状を水の流れに例えられていました。  水道の蛇口が動物の生産者と販売者。  蛇口から出る水が流通する動物たち。  途中コップですくわれるのが購入される動物たち。  すくわれなかった水を一番下で受け取るお椀が保護団体さんたち。  そしてお椀からあふれてこぼれたお水が殺処分をされる動物たち。  そこで、殺処分を少なくするにはどうしたらよいか?という話になりました。  こんなこと、誰が考えたって蛇口から出る水を少なくすればいいじゃないですか?  水を大切にしようって小学校で教わる時、水道をちゃんと閉めようって教わりますよね。  でもその講演会ではお椀からこぼれないようにお椀を大きくするのが大切だとしか話されませんでした。  私は講演後に演者の方に質問をしに行きました。  確かに保護団体さんの数が増えれば殺処分される動物は減ると思いますが、保護団体さんがどれだけ苦労されてるか知ってるんですか?と。  それよりペットミル(子犬工場という意味で劣悪な環境で繁殖している悪徳な生産者を指します)や不適切な繁殖をしている業者や販売者の取り締まりをするべきじゃないですか?と。  その答えは、この会場にはブリーダーさんやペットショップさんが数多くいるからそういう話はしない様に言われた。とのこと。  あ、これはダメだと思いました。  行政が解決しようと思っていないんだもん。   もう1つこれはダメだと思ったことがあります。  講演会はホールみたいな割と大きな会場で行われるんですが、ほとんどの方が寝ているか話をしているかで演者の話を聞いていません。  意味ないでしょこんな講演会。  最後に更新した免許と引き換えにアンケート用紙を提出するのですが、係員が見回りしたり、内容ももっと意義のある講演会にして、資格取得に試験を設ける様に記入してきました。  が、当然その時から制度は何も変わっておりません。  私一人が喚いたところで世の中の流れは変わらないのです。  ですので、皆様の考えがもっと日本に広まれば少しずつでも大きな波になるんじゃないかなと思います。  動物病院でお話する方以外にも皆様の様に暖かい考えを持っていらっしゃる方が沢山いらっしゃるということを知れただけでも、この間のにっきを書いて良かったと思いました。  お時間をいただきましてありがとうございました。 2021年5月10日 深夜
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