6 不撓不屈

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6 不撓不屈

……大丈夫か?俺に捕まれよ。 『先輩……』 ピピピピのアラームで明日香は目覚めた。結構ギリギリの時間。朝食を諦めて支度をした彼女は駅まで早足で進んでいた。 今朝の夢。それは電車の彼が出ていた。名も知らぬ先輩。頼りになる彼。明日香は今朝も会えるかと思ってドキドキしていた。 いつものホーム。通勤の会社員のおじさんや、眠そうなお姉さん。明日香は電車が車でスマホを見ていた。占いである。 『今日のあなた。職員室から出てきた時、イケメン生徒会長に告白されるかも』 うちは女子校だしな。 明日香はラッキーフーズだけ調べていた。ここに電車が来た。ドアが開いた。 いた!フローラルさんだし。 嬉しさを押し殺した明日香は、スススと電車の奥に乗り込んだ。そして何食わぬ顔でポールに捕まっていた。ここからは勝手に任命したボディガードの先輩の横顔が見えた。彼はスマホで何か読んでいた。 何を読んでるんだろう。 気になった明日香は。次の駅にて場所を移動した。そして彼の背後からスマホをチラ見した。 やっぱり漫画か。 でも何を読んでいるのだろう、とそのイラストを注視した。ぱっと見、美少女キャラだった。 そう言う趣味なんだ。 小柄でどっちかと言うと可愛い系の自分。美人系の漫画にがっかりしていた。 こんな金曜日を過ごしていた明日香は、放課後、担任の真知子に相談された。 「書道展ですか」 「そうなのよ。明日香、お前書いてくれないかい?」 明日香の学校は書道部がない。得意な生徒が個人的に参加するものだとジャージの真智子は話した。
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