6 不撓不屈

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「県の文化センターに届けるだけで良いのよ。ごめんね」 「別に良いですよ。自分で届けてきますね」 交通費は後で出すと言う言葉を信じた明日香は、友人の里奈を誘ったが生憎用事があると言われた。彼女は一人でやってきた。 指示通りの一階の奥のホール。そこには学校の先生風の人たちがいた。 「こんにちは、私。白百合学園ですけど」 「白百合さん?ちょっと待ってね」 受付の女性は名簿を確認していた。それが遅いので明日香が指した。 「ここです」 「あ。では、書を確認させてくださいね」 広げられた書。そこには『不撓不屈』と書いてあった。 「良い文字ですね。これはあなたが書いたんですか」 「そうです」 不用品からヒントを得た文字。とにかくノルマは達成したと思った明日香は帰ろうとしたが、そこでびっくりした。 ……あれって。フローラルさん? 廊下の男子高校生はやけに体格が良かった。彼らは仲間と戯れあっていた。その中の長身の彼は。多分、朝の電車男だった。 ドキドキの明日香が立ちすくんでいると、さっきの受付女が追いかけてきた。 「良かった。あのね。お茶でも飲んで行って。今日は暑いわよね」 「は、はい」 他の学校は教師が持ってくるのに。明日香は持参してきたと関係者は褒めてくれた。彼らの席でお茶を飲んでいた明日香は、男子生徒の正体を聞いた。 「あれはな。うちの高校のカバディ部の生徒だ。暇そうなので掲示するのを手伝わせようと思ってね」 「カバディ部ですか?」
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