6 不撓不屈

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聞いたことのない部活。驚く時間もなくこの場にカバディ部の連中がやってきた。明日香はドキドキしていた。話しかけてきたのは眼鏡男子だった。 「よし。これを貼るぞ。先生、良いですよね」 「ああ。センス良くやれ」 「お前ら!やるぞ、ほら取りに来い」 他の部員は、ぶつぶついいながら作品を受け取った。その中にいたのは例の彼だった。 嘘!私の書道を持っていっちゃったよ。 力がある彼らは、それは優しく作品を手に取り掲示していった。明日香は自分の作品を後ろからそっと見ていた。フローラルは明日香の書を貼り終え、感心そうに眺めていた。 これに彼の仲間が声をかけていた。 「何をそんなに見てんだよ」 「いや。強そうだなって」 違うよ?意味が。 明日香の驚きを他所にフローラルはうんうんとうなづいていた。これを誤魔化すそうに彼女はこの場を後にした。 はあはあはあ。まさか、フローラルさんがいるなんて。 帰りの電車を待つ間。明日香はカバディについて調べ出した。〇〇工業、カバディで検索。 そうっか。フローラルさんの学校は強いんだな。 そこには選手の画像と名前があった。東山昴と名前が判明した。 「昴さん、か」 夕暮れの駅のホーム。明日香は頬を染めていた。 ◇◇◇ 「明日香。昨日は悪かったね」 交通費をくれた真智子に明日香はいいえ、と笑みをこぼした。 「ただ届けただけですから。それに楽しかったです」 ……フローラルさんの正体も分かったし。 「そうなの?じゃ、また今度もお願いしようかな」 「そ、それはちょっと?」 苦笑いの明日香。窓の外に夏に日差しが照り付けていた。 つづく
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