やっと終わった……

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やっと終わった……

これで全部終わった…。 智樹は達成感から疲れがどっと出て、大きなため息をついた。 さて、早見さんに電話して、迎え来てもらおう。 智樹が廊下の曲がり角を曲がると、 「わ‼︎」 そこには壁にもたれかかって立っていた早見の姿があり、智樹は驚きの声を上げた。 「早見さん…、もしかして、ここで待っててくれたんですか?」 まさか⁉︎と思いながら智樹が聞く。 「ああ。もし何かあって智樹君から電話があった時、すぐに駆けつけられるように、なるべく近くにいようと思って」 早見は智樹が無事に帰ってきた事に、安堵しているようだ。 「早見さん…。ありがとうございます」 いつもの智樹は雅樹のこと以外、利害関係でしか誰とも関わらず言葉を発さず、酷い事を思っているのに、今回の早見の行動は嬉しくて、智樹は本当の気持ちを言葉にした。 「本当に何もなくてよかったよ」 ふっと早見が笑う。 「早見さんは幸樹兄さんを、本当は信用してないんですね」 智樹も早見につられて、クスクスと笑った。  「幸樹の事は、昔から知ってるからね」 早見は冗談ぽく微笑む。 いつも真面目な早見さんも、冗談言うんだ… 智樹は初めて見る早見の姿に驚いた。 「もうすぐ夕食の時間だけど、まだどこかに行く予定はある?」 時計で時間を早見が確認する。 「幸樹兄さんのところで用事は全て終わりです。今日は疲れました。早く帰りたい…」 早く雅樹のところへ帰りたい。 智樹の顔に疲れが見え隠れしていた。
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