秘事

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秘事

「智樹!お帰り‼︎」 智樹を抱きしめる雅樹の姿があった。 「……、ただいま……」 雅樹に抱きしめられたままの智樹が驚く。 「智樹、どこ行ってたんだよ?心配したじゃねーか」 智樹を抱きしめる雅樹の腕の力が強くなる。 「ちょっと欲しい服があったから、見に行ってた」 智樹は嘘をついた。 「服屋?どこの?」 雅樹が聞くと、 「駅近くの路地を入った所に新しい店ができてたんだ。そこ」 店は本当にあるが、今日行っていない。 買い物には事前に行き、今日行ったと言うのは智樹が事前に考えていた答え。 「智樹が今持ってる紙袋の中に、買った服が入ってるのか?」 智樹が持っていた紙袋を雅樹が指さす。 「うん、これ。よかったから、雅樹のも買ってきた」 紙袋から色違いの服を取り出すと、 「シンプルな色使いだから、なんでも合わせ易いって、店の人が。雅樹はどっちがいい?」 「じゃあ…、こっち」 智樹が雅樹に服を選ばせた。 これも事前に店に行き、雅樹が好きそうな服を選んで買ったものを、早見に預けていた。
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