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キスマーク
「なにすんだよ」
智樹はつけられたキスマークを、手で覆う。
こんな適当につけられたキスマークなんて、嬉しくない‼︎
「つけたいからつけた。理由なんていんのかよ」
智樹が手で隠した首とは反対側にも、雅樹がキスマークを付ける。
「‼︎‼︎」
怒った智樹が雅樹の腹を殴ると、雅樹が『う"っ』と唸り、智樹を抱きしめている腕の力を緩めた。
「キスマークつけたきゃ、中原さんにつけたらいいだろ⁉︎中原さんは、愛しい雅樹の新しい彼女なんだからさ‼︎」
そういうも智樹は階段を駆け上り、自分の部屋の鍵をかけ、ベッドに倒れ込んだ。
雅樹のバカやろう‼︎
なんであんな事…
あんな言い方するんだよ!
雅樹には大好きな彼女がいるじゃないか‼︎
どうせ俺とはヒートの時しか、しないくせに‼︎
智樹の部屋のドアを雅樹が叩き、必死に何か言っているが、防音設備が整った智樹の部屋の中にはそんな声も聞こえず、智樹は雅樹の事を無視し、ベッドに顔を埋めると…
声を押し殺して泣いていた。
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