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状況は最悪だ。なに言ってるかサッパリだがどうやら自力では出られないらしい‥‥‥媚び諂うしかねぇ!
「あれ?もう一度だけ聞くよ?自分の置かれた状況は理解できたよね。分かったら頷きなさい」
コクコクと俺が慌てて首肯すると白い少女は少しだけ安堵した様子だった
「聞き分けが良いわね。よかったわ。本当に
じゃあ今から出す条件を呑んでくれるなら、そこから出してあげる」
条件とは何だろう。俺も男なのでプライドがあるが相手が美少女なので靴を舐めるまでなら譲歩してやってもいいと思ってる
「偉大なる龍王様私と契約してくれませんか?」
どこぞの魔法少女勧誘のキャッチコピーを彷彿とさせる台詞だな。まあ、答えは決まってるんだけどね
「受けるなら、Yes。駄目ならNOでお願いね」
‥‥あれ?俺喋れないけど、どう受け答えすればいいの
「(受けるよ!YesYesYes。アーメンイエス)」
「なに言ってるんですか?相手に気持ちを伝える時はきちんと言葉に出して下さい」
白い少女は訝しげに顔を顰めているが
「(言葉が通じねえんだよ!せめて、身振りで分かるやつにしろよ、このアホ毛が!!)」
「まさか、今私の悪口言いました?偉大なる龍王様。少しだけ反省しなさい」
機嫌を損ねてしまったのだろう。彼女は俺から背を向けると外に繋がるであろう扉へヒールをコツコツと鳴らして足を進め始めるではないか
「(ウソーーー!!言ってない!言ってないです!貴女様の美貌を褒め称えていたのです。よっ!世界一可愛い!)」
俺は必死に白い少女を呼び止めたが一度も振り返らず、足も止めずに、外に繋がる唯一の扉から外に出て無常にも閉まった
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