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子供の頃から無神論者か。これだとサンタさんもいないと言いそうだな。まあサンタさんはいないんだけどな
「で、二つだけ?」
「うん。そうだよ」
あっさり断言。なんでさ?数えたら13個もある浮いてるこの光は何だよ!!
「うーん」
幾つか質問があるのだが、聞くべきか聞かざるべきか。いや遠慮なんてしてる場合じゃねえ。俺はゲームの説明書は熟読する派なのだ。あらすじとキャラ紹介の部分だけな
「その、アルターうんちゃら選ぶとさ。どうなるんだ」
「×××は龍王として、彼方の世界に顕現出来る資格がある」
「龍王……」
「言ったでしょ。×××は特別だからね。でも龍王の資格はあっても世界を渡る力はない。だから私は彼方と此方の橋渡しって感じかな。言ってることわかる?」
あーなるほど、完全に理解したわ
「たぶん」
俺の理解が乏しそうな顔を見て淡雪ちゃんは若干の不安を覚えた様だった
「俺がアルターなんちゃらに行った後、淡雪ちゃんはどうなるの」
「此処にずっといるよ」
「……それは淡雪ちゃんが望んだことなの?」
「うん。必要なことだから」
これ以上聞けなかった。この真っ白な何もない世界で淡雪ちゃんが独りでいなければならないのは何故なのか、なんて
「そうか」
何て声をかければいいのか、分からない。果たして俺は淡雪ちゃんにどんな言葉をかければいいのだろうか。とりあえず気の利いた事でも
「あ、あの「ねえ、×××」
俺の言葉を遮った淡雪ちゃんは粛然とした様子で独白する
「生きる事ってままならないよね。×××も。私も」
その言葉にどんな意味が込められているのかは分からない。きっと俺が思っている以上の思いが詰まっているのだろう
「‥‥‥そうだな」
僅かに言葉に詰まってしまったが、淡雪ちゃんはニコリと微笑む
「きっと、この力があれば×××なら────頑張ってね」
引き受けると言ったつもりはないのだが、断れる雰囲気じゃない‥‥‥か。そして、アーカーシャ。それが俺の次の世界での名前のようだ
「俺が淡雪ちゃんに出来ること、何かない?」
「優しいんだね‥‥‥でも、きっと×××は私の事を怨むと思うよ。だからどうか私のことを赦さないで下さい」
‥‥‥怨む。その言葉のワケを聞くより早く淡雪ちゃんは、俺の首もとを無理やり引っ張り頬にキスをする。
途端に俺の身体が発光し、消え始める
「ばいばい、さよなら 」
「ちょ、待ーー」
淡雪ちゃんの言葉はそれっきりだった。俺がこの白い世界からログアウトしたのだと理解するのに、そう時間はかからなかった
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