一話 落ちこぼれ

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一話 落ちこぼれ

「今日はいつもより天気がいい」 僕は今日も、勉強をサボって森に来ていた 「レティス様〜」 「どこですか〜」 僕を探している声の主は家庭教師の ハウゼン・べノーだ ハウゼンは15歳で王宮魔術師になった天才で今は17歳だったと思う… 「レティス様見つけましたよ、サボらないでくださいと何度言えばわかるんですか!毎度探しに出る私の身にもなってください!だいたい、貴方は公爵家の長男としての自覚があるんですか?」 「ああもう、うるさいな!僕が頑張ったって意味無いのお前だってわかってるだろ!」 「レティス様…」 僕の生まれたこの国レナール帝国では、5歳になると神殿で潜在能力の測定及びジョブの確認(洗礼の義)が行われる。 レナール帝国では、その儀式で人の価値が決まると言っても過言では無い。 僕も公爵家の長男として、高位のジョブを授かり、なおかつ高い魔力を持っている事を期待されていた。 けれど、僕はそのどちらも‥ 持ってはいなかった‥ 僕のジョブは低位職の弓使いだった、でも、それだけならまだ良かった。高い魔力さえあればどうにでもなるから… だが現実は残酷だった…僕の魔力量は平民の平均魔力量よりも劣っていた… だから、父様も母様も周りの人間は皆【愚図】と僕を蔑んだ… 家から追い出されないのだって、成人する前の子供を捨てたりしたら、外聞が悪いからだろう。僕は、来年成人して15歳になるから、きっとそこで追い出される。だから、努力したところで無駄なんだ‥ 「レティス様意味が無いなどやってみなければわかりませんよ。だから、お父上だって私を家庭教師につけたのです。」 「お前はフィオール家の家庭教師として雇われているのであって、僕の家庭教師じゃ無い」 「そんな事はありません。お父上からはレティス様の事も宜しく頼むと仰せつかっておりますよ」 「そんな嘘つかなくて良い。どうせ本当は弟達の事しか言われて無いんだろ?僕のことはお前が空いた時間に、勝手に面倒見てるだけだろ」 僕には弟が二人と妹が一人いる。僕とは違って優秀な弟妹だけど… 「たとえ私の言っている事が嘘だとしても、貴方が努力をして力をつければ、ご両親だって認めてくださるはずです。」 「後一年じゃあどうにもならないよ…」 「…ほら、いつまでも森にいるわけにはいきません、屋敷に戻りますよ。」 「わかった…」
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