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四話 理不尽
「そろそろ、日も暮れますしお屋敷に戻りましょうか。」
ハウゼンがその言葉を発した時、僕は本当にクタクタだった。
馬車まで運んでもらいたい程に…
まあそんな事は言えないので、結局馬車までノロノロと歩いた。
グレン達はというと、まあガウスは言うまでもないが、朝と同じように豪快笑いながら、ハウゼンと話をしていた。
ハウゼンもまだ、体力に余裕がありそうだ…
ハウゼンって魔術師じゃなかったっけ?
とも思ったが、気にしない事にした。
グレンも、全然余裕そうだ。僕より3歳も年下なのに、体力も実力も僕の何十倍もある。
流石、剣聖だなぁと思いながら歩いていると、やっと馬車についた。
そのまま馬車に乗った後の記憶は、ほとんどウトウトしていたので無かった。
屋敷につくと、僕は弟達と別れて離れに向かった、僕の部屋は離れにある。
部屋に着くと、僕は疲れきった体をベッドに投げ出した。
それから、何時間かたった頃、誰かが僕の部屋の扉をノックする音が聞こえたので、僕は返事をする。
「誰?」
「ルナでございます。旦那様からの言伝を伝えに参りました。」
「父様の?」
「はい」
「入って」と言うと、
僕は父様が僕に何を伝えろと言ったのか気になりながら、ベッドから体を起こして、ソファーに腰をかけた。
するとルナが入ってきて、僕に封のされていない封筒を渡してきた。
「これは?」と僕がたずねると、
ルナは「旦那様からです。」とそう一言答えた。
ルナは無表情で、口数も少ない為何を考えているのかわかりづらくて、少し苦手だ…
そんな事を考えながら手紙を開くと、そこには、20時に執務室に来るようにとだけ書かれていた。
面倒な予感しかしない…
行きたくないなぁと思っていると、ルナが
「ご夕食の準備ができておりますが、いかがなさいますか?」と聞いてきたので、
僕は「着替えたら食べるよ」と答えた。
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