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手が滑って送信ボタンを押さなくて良かった。
私以外と出会いを探してるなら
もう私に構わないで
そんな言葉本心じゃない
ただ言って欲しくて「そんなことはしないよ」って
安心したかっただけなんだよね。
いくつもの失敗を重ねてすでにアラフォーと呼ばれる歳にもなって
そんな少女みたいな嫉妬で愚かな駆け引きを衝動的にやってしまったらいたくて目も当てられない。
LINEの通知がなって彼からの朝イチのあいさつが来た。
『おはよう
今日も会いたくてたまらないよ。
次に会う時は35歳の俺だから』
今日は彼の誕生日。
彼が今いる場所は華やかなパレードが毎日行なわれる場所。
そばに居るのは彼の奥さんと
愛する娘。
ファンタジックな特別な日に私がいる場所は
そこから数十キロ離れた住宅街。
大小大きさの違うお弁当箱に目玉焼きをつっこみながら
送らなかった文章を消す。
こんな微妙な関係が崩れるのなんて一瞬だ。
『おはよう。誕生日おめでとう。
今日も愛してる。』
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