きっと屋上で

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私は、一通の手紙をバッグに忍ばせ 新幹線『かがやき』に乗車していた。 目的地の最寄り駅長野まで1時間半だ。 遡ること、一週間前… しずくの3ヶ月健診を終え、実家に立ち寄った。 玄関先にはところ狭しとビニール紐に縛られた雑誌新聞、布類、プラスチック類などが置かれてある。 「母さん、どうしたの?これ。断捨離でも始めた?」 母は私の問いかけを無視し、しずくに話しかけようとする。 「まだ言葉はわかんないわよ。」 「いいや、この子は天才だよ。ほら、笑ってる。ばあばの言うことがわかるんだよねぇ、しずく。」
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