34話

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34話

瞼の裏にチラ付く弟の残像へ謝罪をくり返し、したくない本音とするしかない状況のせめぎあいを断ち切る。 「はやくしゃぶりたい」 「たんと食えや」 こみ上げる涙と洟水を我慢し、必死に演技を継続。 後ろ手に手錠を噛まされた不自然な前傾姿勢から、大層苦労してゴーストの下着をずらし、萎えたペニスをひとなめする。 「んッぐ」 強烈なオスの匂い、生臭い味。吐き出したい衝動をこらえ、寝かせた舌でおずおずと唾液を塗していく。 鈴口から迸り出たカウパーと唾液がまざりあって、青臭さにむせる。 「屋上からバンバン撃ってきた時はどんな凄腕かあせったけど、そーやっとるとただの変態やな」 「かはッ、は」 ダークが小さく笑い、ピジョンの鼻を摘まんで無理矢理口を開けさせる。 「どないした?何か言いたそうやな」 「言いたいことなんて……」 「遠慮せず言ってみ、ほれ。ジブンが撃ちながらおっ勃ててたド変態やて認めてまえばスッとすんで」 ダークにけしかけられて知恵を絞る。何て言えば双子が気に入る、どういうリアクションをすれば双子が喜ぶ、一分一秒でも長くこの場に引き止めておける……。 答えは明白だ。 赤黒いペニスをちゅぱちゅぱ吸い立て、右に左に顔を傾げて挑発的に舐め上げながら男たちを仰ぐ。 「俺、ッは、引鉄引きながら勃起してた、変態で、淫乱の、ホントはずっと、ふぁンっあ、スコープ見ながら、ぁっんぐ、アンタたちとヤりたくてしかたなっ、んぅっぁは、カラダむずむずっ疼いて」 唾液を捏ねる音が耳を犯す。 どうしようもない惨めさと死んだ方がマシな恥ずかしさを持て余すうちに頭が弛緩し、ペニスをじゅぷじゅぷ頬張りながら内股で切なげにもぞ付く。 「撃ちながらイッてもうたんか、恥ずかしいやっちゃ」 「イッてな、ぁっんぐ」 他の奴のモノ。 スワローじゃないペニス。 汚い気持ち悪い吐き出したい許して限界だ、やめるな馬鹿自分を殺せできるだろそれ位、ゴーストのペニスは太くて固くて亀頭が張っている、それを口に含んで夢中で舌を絡める、苦いカウパーが咽喉を焼いて吐き気が膨らむ、顎が涎でぬる付いて気持ち悪い、これはスワローのだスワローのペニスだ俺は今スワローにフェラしてるんだ大丈夫吐かないまだイケる 裏切り行為に募り行く後ろめたさが背徳感を呼び覚まし、口の窪みに溜まるカウパーの味が一層苦みを増す。 「ふぁ、ンむ」 酸欠になる寸前で抜き、息継ぎしてからまた咥え、膝立ちの姿勢で奉仕する。 ピンクゴールドの前髪がめちゃくちゃに乱れ、朦朧としたセピアレッドの目とだらしなく蕩けた顔が露出。 「ホンマは狙撃と同じタイミングで下半身の鉄砲からドピュドピュ撃っとったんちゃうか」 「!?んぅ゛ッぐ、んぅ゛ッん゛」 ダークが残忍に嘲笑い、ピジョンの後ろ髪を掴んで口をこじ開ける。そこへすかさずゴーストが挿入、スピードを上げて喉の奥を突く。 前後挟み撃ちのイマラチオ。 「フェラチオは下っ手くそやけど喉マンコはええ感じに締まる」 「あとで使わせてやビッグブラザー」 敏感な喉奥が収縮、剛直を締め上げる。 ダークが後ろ髪を掴んだまま乱暴に前後させ、ゴーストは抉りこむように腰を突き入れ、唾液の粘度が増した口腔を凌辱する。 「んッ、ぐ、ぁぐ、んぅっ、ぁっんっ」 口の粘膜と喉の粘膜を同時に犯す剛直の鼓動が、性感の目覚めた下半身をずくんずくんと打ちのめす。 苦しい。死ぬ。スワローごめん、お前以外に口を使わせた。 酸欠で明滅する意識の中、無意識に視線を下ろし絆の証を捜し求めるものの、ドッグタグが見当たらず目を見開く。 「顔真っ赤やでコイツ、そろそろ抜かな死んでまうんちゃうか」 「ええやん別に」 「よかないわ、屍姦じゃ勃たん」 「生肉のほうがええもんな」 「そーゆーこっちゃ」 口に詰め物をされて苦しい。体積がまた膨らむ。 「!~~~~~~~~~っは、がはがはっ」 意識が途切れる寸前にペニスが引き抜かれ、激しく咳き込むピジョンの正面にダークが立ち塞がる。 「今度はこっちや、変態スナイパーさん」 休む暇すら与えられない。兄と立ち代わり前に出たダークが、ピジョンの前髪を掴んで動かす。 「かはっ、けはっ」 再び萎えたペニスを頬張り、鈴口から根元、裏筋まで丁寧にしゃぶっていく。 背後に立ったゴーストが腋から手を差し入れ、モッズコートを脱がしにかかる。 「きったないコートやな」 「やめ、ふぁ」 「どないしたん、続けろや。可愛い弟が萎えてまうやろ」 「さわ、な、や」 性急な衣擦れの音に続き、意地悪い手がシャツの上から乳首を擦り立てる。 「ぁっ、ふぁっ、ンっく」 「感度バツグンやんクリ乳首」 根元をキュッキュッと搾り立て、乳首をプクリと勃たせる指遣いに目を閉じ現実逃避を急ぐ。 今咥えているのがスワローのモノだと無理矢理にでも思い込みばらばらに砕け散りそうな心を繋ぎ止めるものの、咽喉の奥を突きまくられ舌遣いが追い付かない。 「イマラチオでおっ勃とんのか、ホンマ変態スナイパーやな」 「~~~~~~~~~~~~~っァあああ」 何か言わないと 機嫌をとらないと イマラチオの勢いに浮く前髪の奥、生理的な涙がしめやかに膜を張る目を苦痛に歪め、ペニスが退いた息継ぎの合間に口走る。 「俺ッ、はぁっかはッ、変態、ドエムのっ、引鉄引くたびホントはイッて、ドピュドピュしこってイきまくってはぁっあ止まんなっ」 行かせない。イきたい。ここで止めないと。出したい。俺なんか汚れてもいい、勝手に堕ちればいい、何もできないならせめて体を使って引き止めろ 「っ、出る」 粗野な手が力ずくでピジョンの頭を引き剥がすと同時、大量の白濁を浴びせられた。
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