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「正門の鍵がかかってる」
「当たり前でしょ。でも大丈夫。雨樋をよじ登るより楽よ!」
あたしたちは周囲を気にしつつ、正門を乗り越えて夜の学校に潜入した。
でも広い学校内でゲジゲジを1匹見つけるなんて無理じゃない?
「職員室に行くわよ」
さすが夫婦だ。居場所がわかるのね。
「なに言ってんのよ。まずは昨日から放置されている主人の荷物を回収するわよ。荷物を置いたまま無断欠勤なんて怪しすぎるでしょ」
確かにそうだ。失踪したと思われても仕方ない状況だ。でもあんたが欠勤連絡したらいいだけの話だよ。
「職員室はあそこね?」
魔法熟女は2階の窓を指差した。
「うん、そうだよ」
「行くわよ」
そう言うと魔法熟女は雨樋をうんしょよいしょと登り始めた。
えー?!なんで??
「あんた馬鹿なの、1階の出入り口や窓をこじ開けたら警備システムが作動するでしょ」
2階は大丈夫なのかなあ。
あたしの心配をよそに魔法熟女は雨樋を登って窓を開けようとした。
「ちっ、鍵がかかってる」
そりゃそうでしょ。
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