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「こういう時は、こうよ!」
魔法熟女は魔法ステッキを振り上げた!魔法で鍵を開けるのね!
スンっと振り下ろされた魔法ステッキが窓に当たった!
コンっ
右手で雨樋を掴むことに全力を注いでいるから、左手で力無く振り下ろされた魔法ステッキには窓を割る威力は無かった。
て言うか、またしても魔法ステッキの物理的使用じゃん…。
「割れない…」
「なにやってんのよ!窓なんか割ったら明日、大騒ぎになるわよっ」
「どーしよー?」
「あたしに聞くなっ」
その時だ!
正門前に1台の車が横付けされた。マズい、警備会社だ!
「あっ」
魔法熟女はげんこつで自分の頭をコンと叩き、テヘッと舌を出した。やだ、可愛い。
「正門にもセンサーが付いてたのね!隠れるわよっ」
あたしたちは校舎の陰に身を隠した。
警備会社の人は正門の周りを懐中電灯で照らして、念のために校舎入り口の鍵を開けて中に入って行った。
「今よ!」
「ふえ?」
あたしは魔法熟女に手を引っ張られて、こっそりと校舎内に潜入した。
見つかったらどうしよう。
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