デイサービスの佐藤さん

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大きな事故もなく平和に、帰宅時間を迎えることができたある日。 帰りの送迎車に乗り込む時、事件が。 体のふくよかな高橋さんが、車に乗り込んだ時上手く踏ん張れず後ろに倒れそうになった。 大きな高橋さんが倒れてくる。 高橋さんが車に乗り込むのを手伝っていたわたしは、とっさに身構えた。 一瞬、いろいろな考えが頭を巡る。 巨体の高橋さんが倒れたらただでは済まない。 と思ったのもつかの間、高橋さんの体が一瞬止まった。 急いで態勢を元に戻す。 「あら、ありがとうね。山田さん」 高橋さんはのんびり言う。 危なかった。すんでのところで転倒を回避したわたしはにっこり笑った。 「転ばなくてよかったです」 ものすごい本音。 高橋さんをあんじるの半分。責任を取らなくてほっとすること半分。 事故に繋がらなくてよかったよ。 やれやれ。 と胸をなでおろしていると、見てしまった。 佐藤さんが人差し指を立てて、ニヤリとしたのを。 ーーーえ? いつも呆けたようなぽやんとしたエロ爺の顔ではなかった。
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