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黒い糸は、赤い糸に変わりました【GL?】
「…え?」
「私、縁を切るぐらいじゃ物足りないの。だからさ、死んでよ」
「い…嫌だっ」
静香は、腰を落としてしまった。怖いんだろう。
「早くさ、死ねよ」
「い、ぃ…いやだぁっっ」
静香は、無理矢理立ち、走ろうとしたが
ドンッ
「えっ?」
私の手によって、低い檻から外に落ちてしまった
「じゃあね!!!!」
その時の私の顔は。静香と過ごした日々の中で、1番の笑顔だった
「…うん。ごめんなさい。バイバイ。」
「…えっ?」
何故か静香も、私に満面の笑みでサヨナラの挨拶をした。
その瞬間、私の周りに取り付いていたなにかが消えた
私は、
その一瞬だけ。私達は親友になれた気がした
その一瞬だけ、静香と仲直りしたいと思った
これから一生、静香と会えないんだ
ガシッ
「……え?」
咄嗟に私は静香の手を掴み、屋上に引き戻した
「なん…で?」
「ごめんなさい。やっぱり…静香が居ないと私……嫌だっ…」
さっきまで死ねと言ってきたやつが何を言ってるんだと言われるんだろうな
「…じゃあ、仲直りしよう。」
?
静香は、こんな私の身勝手な発言を優しく受け止めてくれた
「うんっうんっ…」
自然と涙が出てきた
「ねぇ優花ちゃん。」
「何?静香…」
「私がずっと付きまとってたりしてたのは…貴方の事が好きだったから」
「えっ?」
「彼と付き合ってたのは、優花ちゃんに嫉妬して欲しかったから。物を盗んでたのは、優花ちゃんに気づいて欲しかったから。でも、悪いことだったのは分かってたの。ごめんなさい。」
「いや…いいよ。それに…今私も……好きになった」
一瞬で、私は静香の事を好きになった。
「じゃあ…付き合って…くれませんか?」
「うん。いいよっ…」
「やった…!好きだよっ」
静香が私に抱きつく。
なんで私は、静香を嫌いだったんだ?
なんで私は、静香を好きになったんだ?
よくある糞な恋愛漫画である様な。そんな展開だった
でも、なんか。好きになったんだ
私達は涙を吹いて、屋上を去った
もう、私は偽善者じゃない。
もう、私の毎日に静香が居ても、大丈夫なんだ
サヨウナラ。静香を嫌いな私。
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