第6話 優等生の生い立ち

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第6話 優等生の生い立ち

 提案は蹴られてしまったけれど、ゲームのストーリーを思い返したら、今後が面白そうだった。  断罪後のエピソードがまだあるからだ。  だから、しばらく観察する事にした。  悪役令嬢である彼女は、厳しい境遇で育った人物だ。  貴族の名家で育ち、誰もが羨む地位に立っている。  そして頭も良くて、皆に注目される存在。  けれどだからこそ、期待が大きくなり、教育も厳しくなった。 「あなたはこの家の名前を背負って過ごしていかなければなりません。くれぐれも家の名前に泥を塗らないように行動しなさい」  彼女は勉強三昧の毎日を過ごしていたため、青春と呼べる想い出を、何一つ手にする事ができなかった。  けれど、そんな彼女が楽しみにしていたのが、学校生活だった。  部屋に詰め込まれて、寝る間も惜しんで家庭教師から勉強を教えられる。  学校では、そんな日々から抜け出すことができるのだから。
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