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第7話 残酷な現実
しかし予想に反して、それは彼女に残酷な時間をつきつけた。
名家の中の名家であるがため、誰も彼女に寄りつかなかったのだ。
反感を買わないようにしたかったのだろう。
余計な事はしないに限る。
誰だって我が身が大事。
それに加えて、彼女自身が人と接する術を身に着けてこなかったという点も災いする。
彼女は学校の中で次第に孤立していった。
寂しい学生生活だったのだろう。
思わず、輝かしい青春を送っている主人公に、つっかかってしまうくらいには。
「ちょっと貴方。最近調子にのってるんじゃないの?」
そして、自分の行動を止められなかった彼女は、やりすぎて破滅した。
乙女ゲームの登場人物を、主人公をいじめた。
それで攻略対象や、他の人物の恨みをかって仕返しをうけたのが、つい先ほど。
手ひどいしっぺ返しをくらったというわけだ。
それからは、学校中の生徒が彼女に、罵詈雑言を投げつける毎日が待っていた。
家の者は、期待に応えられなかった彼女を見限り、新しい子供を産むか、養子を迎え新たな後継者を見繕おうとしている。
それでも彼女が、悪魔と契約しないのは、数少ない理解者がたった一人だけいるからだった。
けれどその彼も。
「いやぁぁぁっ。死んだなんて嘘よ。カロル、私を一人にしないでっ!」
不幸な事故で命を落としたようだ。
これで、この乙女ゲームの断罪シナリオは終わり。
後は、悪役令嬢である彼女がどのような判断を下すのかが見ものだ。
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