魔王様の友人係り

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魔王様の友人係り

魔王様の友人係りとして学園内で極力敬語を使わないのが魔王様(以下"アーサー"と呼ぶ)との約束だ。 国立魔道学園、前世の記憶を持ち、魔力と財力があれば入学ができる国立の学園で卒業生は皆国のために働いている。 ちなみに僕の場合は魔力と財力と多少のコネがあるため前世の記憶は捏造だが簡単に入学できてしまった。 僕みたいな奴、この貴族ばかりの国立学園には沢山居て、社交デビューする前の貴族の子どもたちの遊び場となっている。 僕がアーサーの友人係りに任命された日も、こんな天気の悪い日だった。 「今日もサボるのかい?マーリン♪」 「あっ、魔王様」 「その呼び方は学内ではよしてくれ…」 不良生徒の溜まり場である保健室で授業を悠々とサボっていると持ち込んだ本を取り上げられる。 「これは…君にしては珍しくエロ本じゃないね。動物図鑑かい?」 「変身術の練習を…」 「どれどれ…」 上着に入っていた砂時計をサイドテーブルに置きセットするとベッドの上の布団を纏う。次の瞬間軽い呼吸と魔法を使いイメージを膨らませることで自分の姿を変化させる。使い魔として最もオーソドックスな手乗りのフクロウネコの姿になり布団から軽く羽ばたき主人の膝の上に飛び乗る。 「さすがマーリン、変身術は誰にも負けないね。一度見れば大体の姿にはなれるんだったか…」 「まあ…」 「ふふ、実は俺も今勉強中の魔法があるんだ。今度それで一緒に遊ぼう!」 「いいれすよ」 ほっぺを伸ばされたり頭を撫でられたり好き放題されたあと砂時計でセットした時間がやってくる。 「おっと」 変身が溶けた全裸の男が男に抱きつかれてるのは絵的にまずいので布団の中にあわてて戻ると 「え~!どーして逃げるんだい!?」 とアーサーが布団に乗り込んで来て結局2人で揉みくちゃになり、王子様に抱き抱えられる全裸の男が誕生した。 「だから逃げたのに~」 うだうだ愚痴を言いながらベッドで半ケツになり転がってると、何かがアーサーのツボを押さえていたらしく「ごめんよ~」と、涙を流し腹を抱えて笑っていた。 きっと俺はアーサーの色んな表情が見れるなら、どんな係りでもこなしてしまうだろう。
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