夢に墜ちる。

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*  あたしの作品は、小さなヒットになった。SNSで話題になって、ソレがきっかけで小さな連載をもらえた。嬉しかった。誰かと喜びを共有したかった。家族は喜んでくれた。だけど、そうじゃない。あたしが一緒に喜びを共有したかったのは、斉藤先輩だった。  けれどもあれから 一度も、斉藤先輩に連絡がつくことはなくて。忙しいのだろうけど。会いたかった。褒めてもらいたかった。あの頃のように、頑張ったと褒めて欲しかった。笑顔で、あたしの頭をなでて、笑って欲しかった。  (先輩に、会いたい……)  気がつけばあたしは走っていた。美大にまずは向かった。だけど、人混みだらけの美大では、どこに誰がいるかもわからなくて。そもそも、どこの学部だったかも聞き忘れていたからにして見つかるわけもなく。途方に暮れたとき、あたしは思い出した。 (クラブなら、いるんじゃ……!?)
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