三話 可愛男子ポジション

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三話 可愛男子ポジション

さっきはやばいと思ったけど、結局僕の作戦を深める事ができたから良しとしよう! 周りも僕を完全にイケメン男子だと思ってたし!これぞ完全犯罪! 犯罪?ではないか~ 僕は今朝の出来事を満足げに思い出しながら廊下を歩いていた。 そんなとき、急に後ろから「おい!」と声をかけられたが、僕じゃ無いだろ。というか僕でもそんな声のかけ方するやつの為に立ち止まる気になんてならない。 ので完全スルーで歩き続けた。 「おいって言ってるだろ!止まれよ!」 スルー 「おい!白髪(しらが)のお前だよ!聞こえないのk」 「これが白髪に見えるなら病院行きな。こんな見事な銀髪が。」 しまった…白髪と言われてつい反応してしまった… いやでもこれはしょうがない… だってこの髪は私…僕の自慢なんだし… 「ふんっお前みたいなやつは白髪で十分だ。」 「あ‘’?」 「うっ…」 僕は可愛らしいエメラルドグリーンの瞳に思い切り睨みながら自分の出せる最低音の声で怒りをぶつけた。 顔の整ったやつが怒ると怖いと、前世で聞いた聞いた気がする。その話はどうやら本当だったようで、僕の本気の睨みに失礼なやつは怯んだ。 そして怯みながらも「お前がっ止まらないのが悪いんだろぉ」と涙目で言った。 いや…睨まれたくらいでなくなよ… なんか僕が虐めてるみたいじゃん… 相手の男子が僕より低身長で更にかわいい系のイケメンのせいで更に… 失礼なやつはふわふわのクリーム色の髪にピンクのクリッとした可愛らしい瞳をしている。 そして今はその瞳から零れ落ちそうな涙を必死でこらえている。 正直…めっちゃかわいい…もっと泣かせたい… いや消して僕が変態なんじゃ無くて、こんなかわいい泣き顔見たら誰でも…ねぇ… 「はぁ…で?何のよう?オチビサン」 「ちっちびじゃない!」 「人を白髪呼ばわりしたんだ。ちびって言われたくらいで怒るなよ。可愛い顔が台無しだよw」 「うるさい!大体、お前に可愛いとか言われても嫌味にしか聞こえない!」 「褒め言葉は素直に受け取ったほうが良いと思うけど?」 「褒めてじゃん!絶対!馬鹿にしてんでしょ!」 「可愛いって思ったのは本心だけど…まぁいいや。で?なに?」 僕は早く教室戻りたいなぁと思いながら同じ問をした。 そんな僕に、彼はプルプルと小動物のように震えながら「…んだよ…」と聞き取れない声量で言った。 「なんて?」 「僕とポジション被ってるって言ってんのー」 意味不明な彼の答えに僕はポカンとすることしかできなかった。
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