一話 始まり

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「すっごい…」 王都は僕が予想していたよりも賑やかで綺羅びやかだった。 そんな(みやこ)の風景に圧倒されていた僕は、ハッと我に返り地図を見つめる。 「えーっと…王立学園は…ここを真っ直ぐ?あれ?右かな?うーん…」 僕は地図を見てもどう進めば良いのか解らず、最終的に道を歩いていた女性に訪ねた。 「あの…王立学園まではどう行けば良いのか解らないんだけど…教えて貰えませんか?」 すると頬を少し赤らめた女性は「宜しければご一緒しますよ。」と言って学園まで案内してくれた。 僕は案内してくれた女性に「ありがとう。とても助かりました。」と笑顔でお礼を言うと、女性は「い、いいいえ!お役に立てて良かったです!」と言って顔を(おお)い隠しながら走り去ってしまった… 僕…何か失礼な事言ったかな… 僕は少し首を傾げると、今度会ったら謝罪しよう…と思った。 そして振り返り立派な建物、王立学園を見つめ、自分の両頬を勢い良く叩いた。 「よし!今日から三年間、僕はただの男爵令嬢(男装中)として生きる!」 僕はそう気合を入れて学園の敷地に足を踏み入れた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!