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「大丈夫よ。陸。
スキー場は、保育園みたいなもの。
やっとで歩けるようになった子や、やっとで走れるようになって、何が危ないのかもわからないような子やいろんな子がいる。
陸は、やっとでよちよち歩きができるくらいの一歳児くらいかな。そんな子を突き飛ばしたりしないよ。」
「何、保育園の先生ぶってるんだよ。鈴音。」
鈴音は、最初から保育園児の中に混じって滑る気はなかった。香と二人で本格的に滑りたかった。
雪を見て大喜びの女性陣二人に比べ、口数少ない男性陣。足立陸と山下歩は、二人の後をついて歩いていた。
「鈴音、本当に管理区域外に出るのか?」
「陸、心配しないで。私たちを誰だと思ってるの?大丈夫よ。」
鈴音の彼氏の陸は、管理区域外と聞いてやはり心配だった。管理区域外に行くのは、鈴音と香の二人で、陸と歩は、初心者コースを午前中滑り、午後から管理区域外から帰ってきた二人と合流することになっていた。
「香、本当に立ち入り禁止区域に入って大丈夫なの?」
「歩、だから、管理区域外と立ち入り禁止区域は違うの。立ち入り禁止区域なんかに入らないわ。ちゃんと登山届けも出してあるわ。」
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