あの晴れた空に

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 龍斗がやって来て一週間が過ぎた。天気はあまり安定せず、ほぼ毎日雨が降っている。 「またカレーですか」  リビングのテーブルでカレーを食べる颯。その隣で龍斗が言った。 「あの、俺、めっちゃカレー食べたかったんだけど、食えなかったんですよ。この前も食べられなかったの、見てましたよね?」 「ああ、そういえばそうでしたね」  龍斗は口をとがらせて颯を睨んだ。ここは我慢対決だと、颯は龍斗の相手をせずにカレーを食べていく。  先に根負けしたのは龍斗だった。 「あー!」  と叫ぶと、後ろのソファに飛び乗った。  食べたい食べたいと、呪詛のように唱えている。 「ごちそうさま」  勝ち誇ったような清々しさを感じながら、颯は空になった皿を持ってキッチンへと向かった。シンクで皿を洗い始めると、ソファの上の龍斗は大人しくなった。 「あ、そうだ、龍斗。俺、稽古に行くことにしたから」 「ふうん……え、マジで!?」 「マジで」  三日くらい前から、ずっと考えていた。もうそろそろ、稽古に行くべきなのではないかと。公演の初日も近づいている。これ以上休むと、舞台には上がれないだろう。  龍斗はソファの上で嬉しさを爆発させて、足をばたつかせていた。颯はいつも通りを装って、皿を洗う。しかし、その口元はほころんでいた。
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