私と彼と、みんな

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*************** ■陽介×駿河&矢野 「しかし、陽介の一途さにはなんか感動だな」 「普段は絶対に思わないけど」 「どういう意味だよ」 「あの佐伯さんが幼馴染だったとはなぁ…」 「最寄り駅が同じとは聞いてたけど」 「言ってなかったっけか」 「聞いてたら覚えてるわ、高嶺の花の佐伯さんだし」 「美人だよな」 「………」 「え、なんで無反応なんだよ」 「陽介はそう思わない、とかじゃないよな」 「………」 「だんまりかよ」 「意味わかんね」 「……美人だよ、和奏は。あまりそういうのを俺以外が言ってるのを聞きたくないだけ」 「なんでだよ」 「別にいいじゃん、自慢の彼女だろ」 「自慢だよ!自慢だけど、自慢したくない」 「あ?」 「どういう事?」 「……あまり知って欲しくないだけ」 「お、えらく弱気だな」 「なんだなんだ?誰かに取られるとか思ってんの」 「取られるなんて思ってない、出来る訳がない」 「めちゃくちゃ自信あるんだな」 「逆にそんだけ自信があるなら、なんでだよ」 「独り占めしたいだけなんだよ、俺のワガママ」 「はぁー?」 「ノロケか」 「なんとでも言ってくれ」 「しかしさ、湯汲さんは湯汲さんでスタイルいいし、お前ばっかり…」 「ほんとだよ。湯汲さんはなんというか姿形がバランスいいというか、出るとこ出てて」 「……ふん、お前らは知らねぇだろうけど、和奏は着やせすんだよ」 「おいおい、ここでぶっこんできたな」 「さっきまで佐伯さんの事出し惜しみっぽかったのに」 「お前らの言う、自慢だよ」 「結局、自慢きたよ」 「まぁ、解らんでもないけどな」 「もう一つ言うとな」 「ん?」 「お?」 「めちゃくちゃ、色っぽい」 「お前、何が言いたいんだよ!」 「地味に腹立つな…」 「だから自慢だよ」 「あーはいはい」 「くっそ、羨ましい」 「ははは!お前らも彼女作れよ!じゃあな、お先」  そう言うと、じっとりとした目付きで二人に睨まれた。  それを軽くかわし、俺は帰り支度をして和奏の席まで行く。  可愛くて美人で、自慢の彼女と一緒に帰る為に。 ■次は、和奏母×陽介母です
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