63人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
***************
■陽介×駿河&矢野
「しかし、陽介の一途さにはなんか感動だな」
「普段は絶対に思わないけど」
「どういう意味だよ」
「あの佐伯さんが幼馴染だったとはなぁ…」
「最寄り駅が同じとは聞いてたけど」
「言ってなかったっけか」
「聞いてたら覚えてるわ、高嶺の花の佐伯さんだし」
「美人だよな」
「………」
「え、なんで無反応なんだよ」
「陽介はそう思わない、とかじゃないよな」
「………」
「だんまりかよ」
「意味わかんね」
「……美人だよ、和奏は。あまりそういうのを俺以外が言ってるのを聞きたくないだけ」
「なんでだよ」
「別にいいじゃん、自慢の彼女だろ」
「自慢だよ!自慢だけど、自慢したくない」
「あ?」
「どういう事?」
「……あまり知って欲しくないだけ」
「お、えらく弱気だな」
「なんだなんだ?誰かに取られるとか思ってんの」
「取られるなんて思ってない、出来る訳がない」
「めちゃくちゃ自信あるんだな」
「逆にそんだけ自信があるなら、なんでだよ」
「独り占めしたいだけなんだよ、俺のワガママ」
「はぁー?」
「ノロケか」
「なんとでも言ってくれ」
「しかしさ、湯汲さんは湯汲さんでスタイルいいし、お前ばっかり…」
「ほんとだよ。湯汲さんはなんというか姿形がバランスいいというか、出るとこ出てて」
「……ふん、お前らは知らねぇだろうけど、和奏は着やせすんだよ」
「おいおい、ここでぶっこんできたな」
「さっきまで佐伯さんの事出し惜しみっぽかったのに」
「お前らの言う、自慢だよ」
「結局、自慢きたよ」
「まぁ、解らんでもないけどな」
「もう一つ言うとな」
「ん?」
「お?」
「めちゃくちゃ、色っぽい」
「お前、何が言いたいんだよ!」
「地味に腹立つな…」
「だから自慢だよ」
「あーはいはい」
「くっそ、羨ましい」
「ははは!お前らも彼女作れよ!じゃあな、お先」
そう言うと、じっとりとした目付きで二人に睨まれた。
それを軽くかわし、俺は帰り支度をして和奏の席まで行く。
可愛くて美人で、自慢の彼女と一緒に帰る為に。
■次は、和奏母×陽介母です
最初のコメントを投稿しよう!