私と彼と、みんな

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*************** ■陽介母×和奏母 「わかちゃん、女子大に行くって?」 「そうなのよ」 「それでかぁ~、陽介がなんか変なのよ」 「えっ、どう変なの」 「ほんとは一緒の大学に行きたかったみたいで、わかちゃんに追いつきたくて予備校通いたい、とか言い出して」 「なるほど」 「それだけでも、アンタ大丈夫?っていう話しなのに、自分の今の成績を底上げしたいからって言い始めて」 「無理してるの?」 「無理…?なのかしら…本人は凄くやる気なんだけど、時々ふと動きが止まってるのよ」 「電池切れ?」 「と思って、飲み物持って近寄ると、わかちゃんを呼ぶのよ」 「そっちの電池切れか」 「お隣だから会うのは会えるけど、前みたいに長い時間じゃないから?」 「和奏不足かぁ」 「我が子ながら、アホの極みだな、って」 「私としては、和奏をそんなに想ってくれるのは有難いけどね」 「わかちゃんはどう?」 「和奏?うーん………残念ながら、普通?」 「そうなんだ!」 「でも、あの子も感情出さずに我慢するとこあるから」 「そうだよねぇ」 「もしかしたら、陽介くんほどじゃないけど、何かしら寂しいんじゃない」 「そう思ってくれてたらいいんだけどなぁ」 「長いこと一緒に居るから、他の付き合ってる子達とはまた感覚が違うだろうからね」 「陽介は結婚したいみたいよ」 「ふふ、気が早い」 「まだ高校最後の1年があって、大学4年間があって、更には就職してすぐ、って訳にはいかないだろうから、3年程は出来ないだろうし」 「8年…すでに、14年も近くに居て…べったりじゃないにしろ、割に酷な感じね。結婚させちゃうか」 「えっ!?」 「いや、すぐじゃなくて…大学入ってからでも。どうせ、あの子ら、同じ大学行けなくても同棲とかしちゃうんじゃない」 「はぁ…、そうよねぇ」 「親が推奨するのもちょっと…とも思うけど、無理に引きはがしててもダメな気がするし」 「陽介は喜びそう」 「でも案外、陽介くんの中にちゃんと計画がありそうな気がするんだけどね」 「それもしてそう」 「ま、任せるが一番か。何か相談してきたら、親として一緒に考えてあげるかな」 「まずは、陽介が思ってる大学に行ける事だけどね。わかちゃんが女子大なら、近いとこ選ぶだろうし」 「ひょっとしたら、和奏が普通に共学の大学行くかもだし」 「それはそれで、陽介が発狂しそう。心配で」 「それも目に浮かぶ」  母達は、息子と娘の将来をとても楽しみにしているのです。   ■次は、湯汲×友人3人です
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