私と彼と、みんな

5/6
63人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
*************** ■湯汲×友人3人 「ほーら、早希、アイス」 「うん、ありがと」 「まだ落ち込んでんの」 「元気出しなよ」 「うん…まぁ、実際は大分元気になってきてると思うんだけどね」 「本調子じゃないか」 「仕方ない気もするけど」 「中学の頃とは全然違う」 「あの頃と一緒にしないでよ…」 「中学の頃は、本当に来るもの拒まずだったもんね」 「あれはあれで、凄いとは思ってた」 「男が切れないっての、こんな間近で見るとは思わなかったよ」 「……誰でも良かった訳じゃないんだけどね」 「興味本位のとこもあるって言ってたしね」 「そうなんだ」 「付き合うタイプが毎回違ってたよね」 「先輩やら後輩やら同級生やら…顔で選んでた訳じゃないから好みも良く解らなかったよ、自分でも」 「選んでたん?」 「そうなんだ」 「でも割とイケメン揃いだったよね」 「…一番のイケメンは中河くんだと思う」 「ほう、そうきたか」 「やっぱり好みだったんだろね」 「顔に興味なくても、自然と好みを選んじゃうって事か」 「そう、なんだろうなぁ…。今までの人達と見え方が違ってたから」 「恋は盲目みたいな」 「更に中身も、早希的には良かった」 「そりゃ必死になるか」 「こんな私でも普通に接してくれてたのは大きいかな、やっぱり」 「顔も良くて中身もいいなんて男はすぐに売れるからね」 「世の常だね」 「早い物勝ちにしても、幼馴染なら勝てないとこか。あんなに溺愛してたら」 「…あんな風に好かれ、愛されたいよね。本当羨ましい…」 「私は少し引き気味だけどね」 「…愛が重い?」 「執着が酷いじゃなくて?」 「好きな人からだと、嬉しく感じない?私をそんなにも好きでいてくれるんだ、って」 「盲目過ぎる」 「程度によるかな」 「少しだけ解るかも知れない」 「まぁ、もう終わった事だから。私をそんな風に好きで居てくれる人を探す」 「次に進むか」 「いい出会いがあるといいねぇ」 「私ら皆もね」  そう言い合って、4人で帰路に着く。  いつだったか、中河くんと帰りに食べたのと同じアイス。  それを食べて、自分の中で恋を終わらせた。 ■最後に、もう一度、陽介×和奏です
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!