第0章~前書き

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第0章~前書き

とある田舎に生まれた私。 小中高とその田舎で過ごし、ただ何気なく恋愛をして別れてを繰り返し、26年を歩んできた。 読者の皆様は、「たったの26年で何が書けるの?」 「若僧が何を言ってるんだ」と思うかも知れない。 それでも、私の26年の内、21歳からの恋愛は田舎で過ごしていた頃は想像もつかなかったものとなっている。現実に起きている話を今回はこの作品として残していきたい。 21歳までの間に、18歳で高校を卒業し、安定的な転勤の多い会社へ就職した私。その時は高校を卒業し携帯アプリで出会った恋人と結婚を考え、遠距離恋愛をしていた。 ある時小さな勘違いから別れを決心した。 その当時熊本に居た私は、仕事に没頭し周りに目もくれないような人間で、「冷たい人間」と言われても不思議ではないくらい感情が凍っていた。今考えれば、小さな勘違いで別れを決心した事も、当時の性格がそのような事になっていたからだと納得がいくほどだ。 当たり前のように、人との関係は仕事は仕事のみで、新しい出会いなんてある訳もなく、望んでもいなかった。「女はもう嫌だ」なんてカッコつけていたりもした。 実際は寂しくて仕方ないこともあった。 18歳から21歳までの3年間は共に乗り越えて来ていた彼女との別れは、自分から別れたとはいえ、寂しいものだった。 そんなある日、職場の後輩から「飲みにいきましょう」と言われた。そんなに仲も良くないのにな。と思ったものの、半ば強制の様に行くことになった。 熊本の繁華街は、夜がとても賑やかだ。 知っている人はご存知の通り、スナックやバーなどと、一般的なデパート等が隣接するかのように立ち並んでいて、少し不思議なくらいの街並みだ。 そんな中、普通の居酒屋に入り、後輩と話をしていた。この後輩はあまり得意では無いが、話は聞いてあげようと思い、嫌々ではあったが話を聞いていた。 「自分こんな風になりたいんですよ」「あの時の失敗はこうだったからなんですよ」と好き勝手に話している。なんの為に私を誘ったんだ?と思いながらも、得意の愛想笑いでやり過ごしていた。 1件目の居酒屋を出ると、愛想笑いが本当に笑っていると勘違いしたのか、とても仲良さげに後輩はこう言った。「こう見えてもナンパ得意なんすよ」「先輩任せてて下さい」何を任せるのか分からなかったが、とりあえず好きにやらせて自分は帰ろうと思い、距離を遠ざけながら駅に向かおうとしていた。 すると、後輩は何故か暗い顔をして汗だくで私の目の前に現れ言った。「先輩、今日はダメみたいっす」「先輩やってみて下さいよ」そもそも何故帰ろうとしていた私を見つけられたのかは分からない。今思えばこの時彼は私をこの「ナンパ」の為に呼んだのでは無いかと思うくらいだ。そんなに必死に私を探す位なら仕事ももっと必死にやればいいのに。と思いながらも、後輩が汗だくで前に居ることに対して、何故かこの時私は断ることが出来なかった。 ここで人生で初めて「ナンパ」をする事になった。 最悪だ。 仲も良くない後輩に連れられ、何故か1番嫌いなナンパの実践。意味が分からなかった。 とりあえず本通りをウロウロしながら後輩を撒こうとしていた。5往復くらいしてもなかなか撒けない。 はぁ。とため息をついて顔をあげた。 その後の事は、今も鮮明に覚えている。 後に、題名の通り若くして私が駆け落ちをする事になる今の彼女がそこに居た。
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