プロローグ

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プロローグ

僕は見慣れない光景に足を止めた。 こんな街角の路地裏にお店が出来ている。 レンガ調の外観がレトロの雰囲気が漂っていた。 ドアの横に掛けられている黒板が言うには、 <卵料理専門店「piyo-piyo」> ピヨピヨ? ヒヨコだろうか? 専門店と銘打っているし、ずいぶん自信に溢れているものだ。 会社の昼休みだし、あんまり悩んでいる暇はない。 食指が動いた僕はとりあえず入ってみることにした。 ドアが開くリズムに合わせて、 まるで供え物のように置かれている花が揺れた……。 これが春の日の出会いとなることを僕は知らなかった。
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