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「RYUは褒めれば元気になる、TOMOは悩みをちゃんと悩んで解決出来る、AKIは細かい事を気にしない、SUGURUは自分の世界がある。でもNAOは……NAOが心配なんです」
「NAO?NAOですか?
NAOはメンバーの中で一番物分かりがいいですよね?頭もいいし」
確かにそう。NAOは周りの状況をすぐに察知して自分が今何をすべきなのか、相手が何を求めているか、その通りに動く。
本当に手間のかからない奴だ。
だけど、NAOのその物分りの良さは……
「とにかく、NAOを目の届かない場所に置くのは、やめた方がいいと思うんです」
「そんな。NAOこそ一番安心じゃないですか?アイドルらしからぬ行動をする心配もなさそうだし、AKI……そうだなTOMOとかの方が心配?」
「大内くん、君はちょっと心配し過ぎだ。大丈夫、予定通り進めよう。今日メンバーを全員事務所に集められるよな?
彼らも楽しみにしているんだ。早く発表してやろう」
「はい、わかりました」
えっえっ、ちょっと……ちょっと待って……
『バタンっ』
為す術なし。社長が出て行った会議室のドアは、あっという間に閉まってしまった。
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