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1. プロローグ
ここは、惑星ビーストピア。半獣半人の世界。人間と獣のミックスである獣人たちが暮らしている。
時はビーストピア二十一年。ビーストピア元年に初代王、ドーベルマン・ブラックが四地区を統一し、その後ビーストピア十三年に二代目王ドーベルマン・アンディが王を継いで三期目に入ろうとしていた。
王は四年を一期とし、四期までという決まりにより、四年後、もしくは八年後の三代目王の座を狙って、水面下で勢力争いが起こっていた。
初代ブラックが東(平野、砂漠地域)、西(湖地域)、南(大都市地域)、北(山岳、森林地域)を統一するまでは、それぞれの種族がその地域を治めていた。
東は猫族、西は魚族、南は犬族、北は鳥族。統一以前は力の強い種族による独裁が目立ち、獣人同士の共食いも横行していた。
ブラックが四地区を統一し、種族調査、異なる種族の交配の推奨、野菜中心の食料の定期供給、薬玉による凶暴性の抑制を行い、共食いや肉食を根絶させることに成功した。
とはいえ、それぞれの種族によるわだかまりが消えたわけではない。
また、同族の中においても権力争いに絡んだキナ臭い争いごとや、怪しい薬玉の開発が裏で行われ、二代目王の時代においても安泰の世とはいえなかった。
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