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アンディとマリーの間には、三男二女がいた。皆、ドーベルマン種を受け継いでいた。
一番下の次女ジンカ以外は、二歳で合体し翌年成人したエリート獣人であった。
長男コウ、次男キョウ、長女セリカ、三男カカ、次女ジンカ。この中でジンカだけ成長が遅かったため、命を狙われる心配があり、別の場所で育てられた。
獣人ではない人間は、あまりに脆弱で守らねばならない生き物であった。特に王族においては利用されるか殺されるか、危険であることにかわりはなかった。そのため、早い成長が必須であった。
成長の遅いジンカを、他の兄弟たちは皆で守り、可愛がった。
特に三男のカカは、自分はジンカを守る役目だと強く考えていた。
上の四人の兄弟は合体の翌年に成人したあと、それぞれ四地区の保安官補佐に就くことになった。
現在の保安官は、初代王ブラックと正妻シルバーの四人の子が任されていた。東は長男のウーノ、西は次男のドーエ、南は長女のトレ、北は三男のクアトロ。二代目王アンディの母親違いの兄弟達である。王のいる南以外は保安官がその地区の実権を握る事実上のトップであった。
この兄弟達は、生粋のドーベルマン種とはいえ愛人の子であるアンディが王に就任した時、表向きは祝福するも、胸中は穏やかではなかった。
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