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(どれ……? どれが良いかしら?)
チラッとアダムを見ると、直立不動で無言のまま待っているようだった。目が合う。
コンスタンスは咳払いをして、告げた。
「いま検討しているから、ちょっと待ってね。せっかくアダムが協力してくれると言うのだし、シチュエーションもそれなりに設定した方が良いと思うの。『やめて、そんなとこっ、あっ、いや、だめっ』『なぜ? こうされるのが好きなんじゃないですか? 素直になりなさい。恥ずかしがっているあなたも可愛いけれどね』みたいな感じとか」
「……」
「……」
(えーっ、そこでそんなに無言になるんだーっ)
返事がなかったので、コンスタンスも大人しく待ってみた。
やがて、ふう、とため息をついてから、アダムは呟いた。
「それはお嬢様から見た私のイメージですか? それともお嬢様が理想とするシチュエーションですか?」
「アダムのイメージ!?」
「……なんでそんなに驚かれたのか、ちょっとわからないんですが」
表情が変わらないなりに不服そうに言われたが、コンスタンスは今更ながらに(あ、アダムそういう感じなの?)と妄想の翼を逞しくはためかせて、頬を染めた。
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