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「あっ、はい。お尻を叩かれて『くっ締まる』あたりまでです」
どことなく心配そうに見えなくもなかったアダムの様子が、変わった。目の色が、さっと暗くなったように見える。
「……アダム?」
コンスタンスが軽く首を傾げながら名を呼ぶと、身を引きながらアダムが呟いた。
「いや、あの。そう仕向けたのは俺ですけどね。開花し過ぎじゃないかと、さすがに心配になってきました」
小声で「これはまた、とんでもないドMですね」と追加で囁かれたような気もするが、気のせいかもしれない。
「ごめんなさい。『はしたない』を生で聞いて興奮してしまったみたい」
「はあ」
アダムらしからぬ、間の抜けた返事。
(さすがに呆れてしまったかしら。そうよね。最頻出ワードとはいえ、こんな序の口でドキドキしていたら「これだから処女は」って侮られてしまうわ)
「ええっと、色々中断してしまったわよね。さ、どうぞ」
「何を?」
素の表情で聞き返され、コンスタンスは思わずアダムの顔をしげしげと見つめてしまった。
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