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何ごとも
晩飯タイム。8時ちょっと前にガヤガヤと訪れたのは、お馴染みのR&Dチーム。野瀬、中山、柏木、和田。そしてなぜかオマケのようにくっついてきている坂崎。
「お前、なんでいるんだ?」
「ご挨拶だな! これでも打合せなんだ」
蓮は坂崎に「座敷が空いてるぞ」と言った。
「いや、ここでいいよ。他にも目的あるし。俺は商談でしか来てないから寂しいだろ」
「いや、清々している。むしろお前の存在を忘れていた」
「相変わらずのツンデレだな! ま、そこがいい」
「勝手なこと言うな!」
「分かったって、お前の愛情表現は」
(こいつに口で勝ったことがない。しかもこいつ、本気でそう思っているんだから始末が悪い)
席に着いて、始まった。
「Hey! manager(店長)!」
(ん?)
坂崎の大声に蓮の背筋が伸びる。ジェイは振り向かない。自分が呼ばれたとは思わない。
「oi(おい),Jerome!」
名前が出たからやっとジェイは振り向いた。きょろきょろして和田や柏木が手を振っているのを見た。
「はい!」
急いで注文を取りに行く。
「どうしたの? 俺のことだって分かんなかったよ」
和田:I'd like to order, please.(注文したいんだけど)
柏木:What do you recommend,today? (今日のおすすめは何?)
野瀬:Can I please a meal set with meeting ?(打合せ定食で頼む)
中山:Then,I'm the chef's mood of the day.(じゃ、俺は気まぐれで)
坂崎:Is there a meal set with sales in this?(ここ営業定食ないの?)
「どうしちゃったの? なんで英語なの?」
中山:Everything's a lesson.(何ごとも勉強さ)
「やめて! 日本語でOKだよ!」
いつの間にか静かになっていた店内。最後のジェイの言葉で大爆笑となった。
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