2 碧の妄想

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2 碧の妄想

 櫻子さんの家に行った日、帰ってからもずっとモヤモヤしていた。部屋でベッドに横になって目をつぶると、彼女の肢体が浮かんできて裸の身体を想像していた。思わず自分の股間に手をやっていると、姉の美帆が入って来た。 「あらー、碧ちゃん何してるの?いけないんだな!」  僕は急いでズボンを上げて、 「ノックぐらいしろよ!いくら兄弟でも、見てはいけないものがあるでしょ!」 と言うと、短大生の美帆はけらけらと笑っていた。 「あんたの小さい物を見ても、仕様がないよ!」  モヤモヤを晴らすために自慰をしていたが、美帆に訊いてみようと思った。 「友達から相談されたんだけど、姉ちゃんに訊いてもいい?友達が彼女の家に誘われて、行ったんだって。部屋で、すぐ横に身体を付けて腰掛けて来たと言うんだけど、それってどうなの?」 「何、その話。どうなのって言われても、私は経験ないから分からないけど、それはやっぱり誘っているのかな。で、碧はどうしたの?」 「俺の話じゃないよ。友達が…。」と言っても、姉は無視していた。 「碧も彼女ができたんだね。それで、キスとかしたの?」  これ以上話してもボロが出そうなので、姉を部屋から追い出した。 「何が起こるか分からないから、ちゃんと綺麗にしておくんだよ!何なら、私が見てやろうか?今日、一緒にお風呂入る?」  デリカシーのない姉だと思ったが、姉はどこまで経験があるのか気になった。
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