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7 裏切られた真莉愛
3学期が終わり、サッカー部の春合宿が2泊3日で行われた。練習が終わった最初の夜、俺は真莉愛をグラウンドの木蔭に呼んでいた。
「翔君、誰かに見られたらまずいよ!」と言う彼女の制止も聞かず、肩を抱き寄せてキスをした。そして、彼女のトレーナーの裾から手を入れて、柔らかい乳房を掌に包んだ。彼女は拒んでいたが、最高のいやしを彼女から得ていた。もっと先に進もうかと思っていた所に、グランドから声を掛けられた。
「先輩!何してるんですか?合宿でこんな事をしたら、駄目ですよ!」
運悪く高梨華に見つかってしまった。というより、尾行されていたのだ。
高梨は何を思ったのか、顧問にこの事を報告した。翌朝顧問に呼び出され、部の風紀を乱す行為だとお説教され、その日は二人とも活動停止になった。真莉愛の事が心配で、その日の夕食時に探したが見当たらなかった。
合宿3日目は練習に参加できたが、仲間の目が気になり落ち着かなかった。真莉愛は洗い場で黙々と洗濯をしていて、声を掛けそびれてしまった。帰りに話そうと待っていたが、彼女の姿はなかった。
その日、家に帰ってから彼女の事を気遣って電話を掛けた。すぐに応答があったので、俺はほっとして話し出した。
「マリ、大丈夫か?あんまり気にすることはないからさ!1年の高梨に見つかったのはまずかったけど、部の皆も俺たちのことを知っていたから。」
「何言ってるの?高梨さんと二股をしてたって、本当なの?」
「……。」
「それに、あの子とセックスしたんだってね!私にはうまい事を言って、みんな嘘だったんだね。女二人をもてあそぶ気持ちはどう?最低の男だね!」
俺は一言も発する事なく、電話は切られた。高梨が真莉愛にすべてを話しているとは思っていなかった。高梨を甘く見ていた自分だが、自業自得だった。
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