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1 三上蓮司
高2の夏休み、俺と琢海の二人は暇を持て余して街をぶらついていた。そして、女の子をナンパしようという事になった。ゲーセンに入り、高校生の女子二人に目を付けた俺は、彼女達の後ろから声を掛けた。
「彼女たち、高校生だよね。見た所1年生かな?一緒に遊ぼうか。」
一人の子はうさん臭そうに見ていたが、もう一人は脈がありそうだった。
「俺は三上蓮司、こっちが広岡琢海。N工業高校の2年生です。高校どこ?」
「明日ヶ丘高校の1年生です。」と答えたのは、背が高くショートヘアの鴫野芹菜というもう一人の子だった。高1にしては、タンクトップの胸は形よく、スカートから伸びる脚はすらっとして長かった。顔も目がぱっちりとした小顔で、俺の好みだった。
「芹菜、行こう!」と言った子は、白石櫻子と言っていた。ボブカットで、目はクリっとしているが、にらむと可愛くない。胸も発達中という感じで、Tシャツとミニのキュロットをはいていた。芹菜と比べると、背は同じくらいだが体つきは幼稚に見える。俺は芹菜を、琢海には櫻子を押し付けようと企て、もう一押しした。
「俺達はバンドやってて、ライブのチケットが4人分あるんだけど、友達が行けなくなって誰か探しているんだけど。一緒に行ってくれないかな?」
嘘八百を並べ立て、必死になって口説いた。すると、芹菜が乗って来た。その後は4人でカラオケに行き、2時間歌って解放した。当然だが、帰り際に芹菜と連絡先を交換し合った。
〈芹菜の独り言〉
櫻子は用心深いから、「行こう」と言ってたけど、あの2人は悪い子じゃないよ。蓮司って子は茶髪でかっこいいし、内の学校には男子が少ないから、恋愛のチャンスを逃さないようにしなくちゃ。
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