6 芹菜の危機

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6 芹菜の危機

 明日は芹菜を家に連れ込んで、仲間5人で遊ぶ事になっていた。ところがさっき、芹菜が会いたいと言ってきた。明日の事に違いないと思い、急いで出掛けた。彼女は俺の顔を見て、俺とは付き合えないから別れたいと言ってきた。ふざけた事を言い出した彼女に腹が立ったが、それよりも明日の計画が台無しになると思い、優しい声で一生懸命に説得した。彼女の意志は固く、説得に応じる様子がなかった。しばらくして彼女がトイレに立ったので、そのすきにテーブルの上に置きっ放しのスマホをポケットに入れた。 「あれ、ここにあったスマホがない。知らない?」という彼女に、 「ここに預かってるよ。明日の約束は守って貰うから!それまで返さない!」とにらみつけて言った。彼女は困った顔をしていたが、無視をした。 「じゃあ、明日な!待ってるから」と言って店を出た。  翌日芹菜が来るかどうか心配だったが、約束した時間通りにやって来た。 「約束を守ったんだから、スマホを返して!」と言う彼女に、「家に置いてきたから取りに来て」と嘘を付いて、嫌がる彼女の腕をつかんで連れて行った。  玄関を入ろうとしない芹菜を中に引っ張り込むと、仲間の二人が計画通りに彼女の両腕を捕らえて部屋に引きずり込んだ。  部屋にいた颯翔が「芹菜、久し振り」と声を掛けると、彼女は腰を抜かしていた。琢海は来ていなかったので、俺達3人で彼女に逃げられない様に、一人が両腕を、一人は両脚を拘束した。俺は身体を抑え付けながら口をふさぐと、颯翔が素早く彼女のブラウスのボタンを外した。スカートはめくれ上がり、真っ白な太股の先のパンティーが丸見えになっていた。芹菜は男の力強さに観念したらしく、暴れなくなっていた。 「芹菜、俺とやりたいんだろ!お前は俺からは逃げられないんだよ。」  颯翔の脅しに屈したようで、彼女は大人しくしていた。 「蓮司、早くやれよ!」という言葉に、「いいのか?」と俺は念押しした。そして、ブラジャーに手を掛けた所で、誰かが部屋に飛び込んできた。 「お前ら、何してる!!」という声と同時に、俺達はその場から遠のいた。そこにはN高の生徒指導の3人がいて、現場を押さえられてしまった。 芹菜の独り言  本当に怖かった!颯翔がいたのは何故?3人の男に捕まって、もう駄目だと思った。蓮司は最初から私を、遊び道具にしようと企んでいたんだ。  犯される寸前で、先生方に助けられた。後で聞いた話では、櫻子が杏に連絡して、花純や真莉愛も加わって、4人で私を助けようと考えてくれたという事だった。私の軽率な行動で迷惑を掛けて、ごめんなさい。  その後、俺達は今までの悪さに加えて、暴行未遂という事で退学処分となった。警察にも訴えられたが、颯翔の親が弁護士を頼んでくれて、未成年でもあり未遂という事で処分保留になった。その代わりに、この街にはいられなくなり、それぞれ親戚に預けられたり、親の知り合いの所で働かされたりして、お互いに連絡が取れなくなった。ただ、広岡琢海は現場にいなかったという事で、おとがめはなかった。
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