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『まや、落ち着いて聞いてね』
いつも陽だまりのように優しい母の声は酷く震えていた。嫌な予感がして、血が下がっていくのを感じた。
『今朝、和光おじさんが亡くなったの』
日曜日の午後三時。透き通った空が高く広がる、秋晴れの気持ちのいい日だった。
最近調子の悪いドライヤーを買い換えるため、家族(夫、4歳の長男、2歳の次男)で家電量販店に来ていた私は、母からの着信に気付くと、なんの気無しに折返し電話した。
実家は車で10分ほどのところにあり頻繁にやり取りしているため、母からの電話は珍しいことでもなんでもなかったのだ。
でも。
おじちゃんが、亡くなった………?
お父さんが57歳だから、おじちゃんはまだ59歳なのに。
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