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「えっ、どうして?」
持病もそれらしい何かも聞いたことがない。理解が追いつかず、その言葉が飛び出していた。
夫と待つ長男がこちらへ手を振っているのが見え、無意識に応える。
『……寝ているときに、亡くなったみたいなの。今、ようやく落ち着いたところで。とりあえず今すぐにどうとかはないけど、心の整理をしておいてね』
「分かっ、た」
電話を切り、レジに並ぶ家族のもとへと足が動き進んでいく。止まると、次男が嬉しそうに足にまとわりついてきた。反射的に、次男の頭を撫でる。
「なんだって? お義母さん」
夫が言った。
「……うん、まあ」
こんなところでする話ではないと、回らない頭で考えたこともあるけれど、その事実を言葉にできなかった。
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