操作

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日常の中から消されていく顔と名前 そこに並ぶはずだった顔と名前が見付からない 誰かの中の大事な一番が並ばないように 別の名前を列挙して強制的に記憶を上書きしようとする そんなことしたって忘れはしない 顔も声も記憶の中に刻み込んで 消されても消されてもまた自分で頭の中に上書きしてやる 自分の中の一番を誰かに操作させはしない そこに並んだ他の誰よりも 自分の中の一番の顔と名前が頭に浮かんで 誰よりも輝いている そこに並ばなくても一番魅力的で 永遠に輝き続ける 何年経っても変わらずに
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