13人が本棚に入れています
本棚に追加
裁く者
神はこの世に存在らず
人の世は人が裁くもの
ゆえに悪事は見付からなければ
裁かれることもなく根を張り続ける
平和の中に潜伏する「悪」
見える悪を容認する「悪」
「善」を語る「悪」
「善」を望む弱者は
気付くほど心が崩れ
知るほどに不幸を招く
神がそれを見ている
だが神は弱者に手を差し伸べはしない
此処は神の世ではなく
“人の世”だから
正義がバラバラのこの世界は
何を主張して 何を信じればいい
巨大な悪の前には聖者も跪くしかないのか
敵 無関心 味方
誰と手を繋ぐかが別れ道
魂を捧げない弱者を救う神はいくら願ってもこの世に現れず
弱者はいつも嘆くだけ
それが人に与えられた試練なのか
此処は
“人の世”だから
神が本当にいるのなら
悪はいつか必ず裁かれるだろう
“神のいる場所”で
最初のコメントを投稿しよう!