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はなーせーー。
マジで離せ。ほんとに離して。
お願いだから離して。
そんな僕の願いも虚しく、全然離してくれません。
今日が僕の処女の命日になるかも。
フッ。通らなくても生きていける道を通る日が来るなんて....。
あ、優さん。
口パクで “た・す・け・て” ってやったら来てくれた。
「よお、和也。久しぶりじゃん。」
「優ちゃん、久しぶりー。」
「ちゃん付けはよせって言ってるだろ。
おい、そいつどうしたんだよ。」
「この子はねー、一昨年転入してきた小林 沙希君でーす。
これから楽しいことするんだから。ねー。」
何が「ねー。」だ。
それと佐々木さんの下の名前で和也っていうんだ、
へー。
「残念だが、それは無理そうだな。
小林。放課後、おまえの担任の橋本先生に呼び出されていなかったか?
さっき橋本先生に会った時に、編入生が登校しないから事情を聞く為に、校内放送で呼び出したのに来ない。って愚痴られたぞ。
行かなくていいのか?」
「えー、そうなの?
僕等そんなの、聞いてないけど....あ、尋問室にいる時に放送あったのかも!
尋問室は放送、聞こえないからー。」
ナイス、優さんでもないかもだけど、ナイス。
結局のとこ面倒臭い事、しなきゃじゃん。
でも、佐々木さんに貞操を奪われるよりマシかも。
『橋本様、お教え頂きありがとうございます。
佐々木卿、申し訳ございませんが、私の師匠となっておられるであろう御方から召集がかかっていたようです。
今回の件はまたの機会にという事で、ここで失礼してもよろしいでしょうか。』
「もー、しょうがないなー。
一応、僕等は風紀委員だから先生への顔は良くしとかないといけないんだよ。
ざんねーん。近いうちに絶対にヤろうね。パチン」
うやぉ。
星が出てきそうなウインクって実在したんだ。
おかげ様で変な声が出そうになったよ。
それに、やっぱりこの人、僕の貞操狙ってたんじゃん。
危なかった。
「小林、橋本先生なら今、数学準備室にいるから。
直ぐに行けなかった理由、説明してやれよ。」
『承知致しました。』
「あ、優ちゃん。
変わりと言っちゃなんだけど、一発ヤらない?」
「おい、おまえ、それでも風紀委員なんだから、率先して風紀を乱すような事すんなよ。」
「ノンノン。これは違うよー。
こ・れ・は、立派な生理現象なんだから風紀を乱す事のは繋がんないんだよー。
失礼しちゃうな。プンプン。」
『お話し中、失礼致します。
私はここで失礼させて頂きます。
佐々木卿、本日はお疲れ様でした。さようなら。』
....やっと抜けれた。
優さんって、どの人にもこんな感じなのかな。
めっちゃ、コミュ力高めじゃん。
それに他人からの愚痴を聞くほど、信頼されてるらしいし。
こんなの朝日が知ったら、ヤバそう。
優さん、今度は軟禁じゃなくて、監禁されちゃうじゃん?
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